どこまで出来るか?フリーソフトで構造設計

  

  
P投げ銭!

令和3年2月13日更新

 構造設計には欠かせない構造計算ソフト。他にも構造設計業務を行うには、たくさんのコンピュータソフトが必要です。 業務用のソフトは比較的に高額でありますが、世の中には市販ソフトに負けないような性能を持ったフリーソフトがあります。

 そこでフリーソフトのみで構造設計を行うのを目標にフリーソフトを探してみました。


オフィスソフト

市販ソフトフリーソフト

Microsoft Office

Microsoft Office オフィスソフトと言えば、「Microsoft Office」。すべての業種で使われている定番ビジネスソフトです。
65,784円 (税込)

Open Office.org

OpenOffice.org ワープロや表計算などを含むフリーのオフィス統合ソフト。「Microsoft Office」と操作性やデータの互換性もあります。
WikiPediaによると多くの公官庁、自治体で使用されているそうです。
0円

 設計荷重表の作成、その他、市販の構造計算プログラムにない部分計算など、構造設計にも、欠かせないExcel、Word。今や手計算(追加・補正計算、部分計算)を行う部分も手書きではなく、EXCELを使う人がほとんどでしょう。
 Open Office.orgは実績もあり、十分、業務に使用できます。

二次部材、その他部分計算

市販ソフトフリーソフト

RC+Sチャート

RC+Sチャート ストラクチャー社のRC&S建築構造部材の断面計算を行うプログラムを集めたライブラリです。この分野では最もシェアが多いプログラムです。
140,800円 (税込)

建築構造ツールボックス

toolbox RC+Sチャートの中の10個の計算プログラムが「建築構造ツールボックス」として、フリーで公開されています。
Microsoft Storeで無料でダウンロードできます。
0円

 ストラクチャーさんの太っ腹!なんと、RC+Sチャートのプログラム中のうち、スラブ、RC小梁、地下外壁、独立基礎、連続基礎、杭基礎、擁壁、鉄骨小梁、鉄骨間柱、胴縁 がフリーソフトとして公開されています。
 もちろん、操作性、検討結果も全く問題ない。RC+Sチャートの中でも使っているのはこの程度ではないでしょうか。お金を払って、RC+Sチャートを買うのが、勿体ないくらいです。

一貫構造計算プログラム

市販ソフトフリーソフト

BUILD.一貫

BUILD.一貫 ご存知、三大一貫構造計算プログラムの一つの構造ソフト社『BUILD.一貫』です。建築構造設計べんりねっとアンケートでは至上最強の高性能に選ばれています。
1,650,000円(税込)

ビルディング・エディタ

ビルディング・エディタ なんとフリーの一貫構造計算プログラム。同じく、ストラクチャー社製です。このプログラムを用いて作成した構造計算書を確認申請時に提出することについても何も制約もありません。
0円

 構造計算のソフトと言えば、一貫構造計算プログラム。構造設計のメインのソフトです。この一貫構造計算プログラムがストラクチャー社より、2007年にフリーで公開されました。 現在でもプログラムの更新が行われています。
 マニュアルを見た所、必要最低限の機能は 備えているようです。オプション計算プログラムが少ないように思われますが、十数年前のプログラムを考えれば、 これで設計が出来ない事も無い。 むしろ、無駄な機能が無いほうがかえって使いやすいかも。

 実際に使用してみましたが、問題なく設計できます。⇒ 構造設計講座(RCマンション編)

 

CADソフト

市販ソフトフリーソフト

DRA-CAD

dracad 構造システム社の図面作成ソフトウェア。構造図を作成するための様々なコマンドも搭載されています。
209,000円 (税込)

Jw_cad

Jw_cad フリーのCADソフトと言えば、Jw_cad。
1997年に公開された実績あるソフトです。
0円

 実務で使用している人も多く、構造図を描くには十分です。建築構造設計べんりねっとで行ったアンケートでも、シェアはNo1で あることからもその実力は認められています。

PDFソフト

市販ソフトフリーソフト

Adobe Acrobat

Adobe Acrobat 電子文書化ソフトの元祖 Acrobat。
電子文書化ソフトもビジネスでは必須です。
45,560円 (税込)

Cube PDF

CubePDF フリーのPDF作成ソフトです。ネットを探せば、PDF作成フリーソフトは他にも沢山ありますが、私のお気に入りはこれです。
0円

 計算書も図面もデータで納品する時代、電子文書化ソフトは必須です。Cube PDFはページの結合、分割もできますので様々なプログラムから生成した計算書を 計算書一式に纏めることも出来ます。

200万円以上のソフトが無料

〆て、2,111,144円(税込)が、なんと0円。

 結論。今更、会社のソフトを全部これらに変えようとは作業効率の面で思いませんが、フリーソフトのみでも十分に構造設計が 出来そうです。確認申請、適判の対応も出来ます。

 『建築構造設計べんりねっと』の姉妹サイト「構造設計者になろう!」で実施した構造設計講座(RCマンション編) を見て頂ければ、どのくらいの事が出来るか、分かると思います。これから、構造設計を勉強してみたいと言う方にはおすすめです。

■構造設計フリーソフトの解説・マニュアル書籍

 フリーソフトと言うとマニュアルが少ない事が欠点ですが、フリーソフトの使用方法を解説した書籍も多数出版されています。これを読めば、問題なく使いこなせます。

フリーソフトで学ぶ建築構造計算 Building Editor

著 者:野家牧雄
出版社:丸善プラネット
価 格:2,860円

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高校生から始めるJw_cad建築構造図入門

著 者:櫻井良明
出版社:エクスナレッジ
価 格:3,080円

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OpenOffice.org3 オープンガイドブック

著 者:鎌滝雅久 他
出版社:翔泳社
価 格:3,080円

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構造設計講座(RCマンション編)PDF版

著 者:建築構造設計べんりねっと
出版社:Booth
価 格:500円

■ その他、使える構造設計フリーソフト


構造解析ソフト SPACE

 名城大学 村田教授が開発した技術者・研究者・学生用 に作成された教育用の構造解析ソフトです。幾何学的非線形性・ 材料非線形性 を考慮したスペースフレームの静的・動的の 構造解析を行うことが出来る高機能ソフトです。
 研究・教育用のソフトなので 実施設計には使えない事となっていますが、動的解析の勉強をするのには良いと思います。

ストラクチャー社フリーソフト集

 ストラクチャー社はビルディング・エディタだけではなく、様々なプログラムをフリーで公開しています。
 風荷重の計算、荷重表の作成、平面骨組の応力計算プログラム、平板の有限要素法による応力解析、その他、多数公開されています。 プログラムメーカーが公開しているフリーソフトなので安心です。

配筋Draft

 梁断面リストや柱断面リスト、架構配筋図(DXFデータ)を自動で作成できるプログラムです。非常に便利なプログラムです。

CADロボ

 一貫構造計算ソフトウェアを使って作成したCSVファイルから、伏図、軸組図、リストを自動作成するソフトです。そして、なんとモデル変更による 自動更新もされます。

wallstat

 木造軸組構法住宅を対象とする数値解析ソフトウェアです。地震による住宅倒壊のリスクを可視化、耐震シミュレーションが出来ます。

右城猛先生の擁壁設計ソフト

 Excelによる擁壁設計ソフトが多数あります。これを使えば、設計出来ない擁壁はないほどです。





■ 『建築構造設計べんりねっと』オリジナル構造計算フリーソフト

 二次部材計算などの構造計算フリーソフト(EXCELシート)を公開しています。

L型擁壁の構造計算

 L型擁壁の構造計算が出来ます。
 使用方法、擁壁計算の考え方についてはコチラを参考にして下さい。

鉄骨小梁の構造計算

 鉄骨小梁の構造計算プログラムです。単純梁と片持ち梁の2タイプが登録されています。
 ※ActiveXコントロールを有効にして、利用して下さい。

RCスラブの構造計算

 RCスラブの構造計算プログラムです。四辺固定版と片持ち版の2タイプが登録されています。
 ※スラブの設計方法の考え方についてはコチラを参考にして下さい。

RC小梁の構造計算

 RC小梁の構造計算プログラムです。単純梁、連続梁、片持梁が対応できます。
 ※RC小梁の設計方法の考え方についてはコチラを参考にして下さい。



順次、作成・公開をしていきます。

   

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