建築構造設計べんりねっと   

 過去の会議議事録 No.44

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momo 2006/02/16 00:19:06
最近、アウトポールの集合住宅で手すりを梁にするため
逆梁で設計されると思うのですが、設計上の留意点
注意点などあればご教授ください。

設計は
最上階と最下階の剛域を調整するなどモデル化は出来るのですが、そのほかありますか?

スラブ剛性などどうされていますか。

また施工時の打ち継ぎはスラブ天でいいのでしょうか。
大手ゼネコンの仕様書にはたしか打ち継ぎ面のスターラップを
割りましたりしているみたいですが、計算根拠がわかりません。

よろしくお願いします。
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Re: アウトポールの逆梁について
mit-kata 2006/02/16 02:47:34
>最近、アウトポールの集合住宅で手すりを梁にするため
>逆梁で設計されると思うのですが、設計上の留意点
>注意点などあればご教授ください。
>
>設計は
>最上階と最下階の剛域を調整するなどモデル化は出来るのですが、そのほかありますか?
>


・私の場合(私個人としての設計方針ですが)、直行方向のフレームは最下階を除いてEWとなる様に要望を出してます。理由としては、45度方向からの加力時に短柱気味になり脆性破壊しそうなきがするからです(もっとも剛域を考慮してokなら問題ないと思います)。デベさんはあまりいい顔はしませんが、意匠屋さんには納得してもらっています(半分脅しぎみです)。
>スラブ剛性などどうされていますか。


・スラブ剛性はとくに考えていません。T型梁の場合においても加力方向においてL,R端の剛性が異なるわけですから多少の違いはあるぬせよ、一般の梁と同等にかんがえてます。何か参考例でもあるといいのですが。

>
>また施工時の打ち継ぎはスラブ天でいいのでしょうか。
>大手ゼネコンの仕様書にはたしか打ち継ぎ面のスターラップを
>割りましたりしているみたいですが、計算根拠がわかりません。
>


・打ち継ぎは、梁上端にしています、柱も梁上端に合わせてます。
スラブ面で打ち継がなければstpの割り増しは必要ないかと思いますが、ゼネコンの社内規定かもしれませんね。
また、意匠上許されるのであれば、スラブレベルを大梁より50mmほどあげさしてもらっています。それで、スラブ下端筋を大梁下端筋の上に呑み込ませています。
個人的な見解として書かせてもらいましたが、参考になられたでしょうか?。
この手の参考文献てあまりないんですよね!
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Re: アウトポールの逆梁について
喰えないラーメン屋 2006/02/16 02:54:02
>注意点などあればご教授ください。

先週始めてみました。(パンフのみ)
バルコニーが明るいというのが売りらしいですね。
とにかく難しそう。

>設計は
>最上階と最下階の剛域を調整するなどモデル化は出来るのですが、そのほかありますか?

市販ソフトの適用範囲外(階高差)ですよね。
最上階と最下階は偏心率NGの予感。

>また施工時の打ち継ぎはスラブ天でいいのでしょうか。

他に継ぐ箇所がないかも。
スラブ上端筋は水平(少し下向き)アンカーになりそう。

>大手ゼネコンの仕様書にはたしか打ち継ぎ面のスターラップを
>割りましたりしているみたいですが、計算根拠がわかりません。

打ち継ぎ部分の処理が悪いと、滑ってしまいます。
滑りの分をダボ(追加スターラップ)に持たせているのだと思います。

無料相談会で図面の一部だけ有ったのですが、計算書の持ち込みは無しでした。
お役に立ちませんです。
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Re: アウトポールの逆梁について
Lion 2006/02/16 09:37:29
喰えないサン

>市販ソフトの適用範囲外(階高差)ですよね。
>最上階と最下階は偏心率NGの予感。

いやいや、BUSでは逆梁の設定が有りますよ(PG3)
使った経験は無いですが、認定内です。
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Re: アウトポールの逆梁について
かゑる 2006/02/16 10:24:08
>>いやいや、BUSでは逆梁の設定が有りますよ(PG3)
>使った経験は無いですが、認定内です。

私は一貫Vユーザーですが、それは立体解析ですか。
どのような仮定で使用できるのでしょうか。
便利な機能だと思います。
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Re: アウトポールの逆梁について
喰えないラーメン屋 2006/02/16 10:52:56
>私は一貫Vユーザーですが、それは立体解析ですか。
>どのような仮定で使用できるのでしょうか。
>便利な機能だと思います。

立体解析???
梁せいの差が大きいと、すぐに何かメッセージが出ますよね。

余談。
一貫では、
意匠高さから構造高さまでの距離を入力。
構造高さから、(梁せいの1/2+腰壁高さ)を剛域端とします。
梁せいが異なると、必ず剛域がずれます。
内法高さが合わない。→Qmuが怪しい。
全節点の剛域を1日がかりで修正すること度々。(-_;)
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Re: アウトポールの逆梁について
momo 2006/02/16 11:22:13
皆様、早速のレスありがとう御座います。
貴重なご意見大変参考になります。


>最下階を除いてEWとなる様に要望を出してます。理由としては、45度方向からの加力時に短柱気味になり脆性破壊しそうなきがするからです(もっとも剛域を考慮してokなら問題ないと思います)。

なるほど、確かに直交に及ぼす影響もあるでしょうね。
これで思いましたが、壁付きで無い限り接合部など、電算鵜呑みするとφが1.0で評価されるので危険ですね。直交裸ですもんね。
ん・・?壁があったとしても梁が無いんだから0.85か・・
どうされます?接合部。梁せいが大きいので余裕は結構あると思いますが。

>・打ち継ぎは、梁上端にしています、柱も梁上端に合わせてます。
>また、意匠上許されるのであれば、スラブレベルを大梁より50mmほどあげさしてもらっています。それで、スラブ下端筋を大梁下端筋の上に呑み込ませています。

梁天ですか。1mもかなりのボリュームのコンクリートが打ち込まれると思いますが
スラブの押え型枠などするのでしょうか。固練りの方が良さそうですね。

>この手の参考文献てあまりないんですよね!

そうなんですよね〜。建築技術とか特集してくれないかな。
前にありました?

>梁せいの差が大きいと、すぐに何かメッセージが出ますよね。
>内法高さが合わない。→Qmuが怪しい。

私はSS2ですが剛域とは別に内法高さを評価できますのでそちらでも
モデル化の必要がありますねQmuはそれでOK・・・と思うのですが。

BUSでは逆梁が入るんですねー。進んでますね!
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Re: アウトポールの逆梁について
Lion 2006/02/16 14:06:26
>私は一貫Vユーザーですが、それは立体解析ですか。
>どのような仮定で使用できるのでしょうか。

解析は立体でも疑似立体でも平面でも使えると
思います、以下解説書の記載です(BUS−3、V2)。

逆梁の応力解析モデルは梁芯はたの梁芯と同じ位置と
しますが、フェースまでの所定の長さの剛域を取る
ことにより剛性の調整を行っています。断面算定に
用いる柱の内法長さは逆梁のフェース位置から算定
します。
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Re: アウトポールの逆梁について
HT 2006/02/16 14:42:21
梁の水平打継ぎについてです。

まずは、打継ぎ全般については、
・応力の小さいところ
・梁及びスラブの鉛直打継ぎの場合はスパン中央付近又はスパンの1/3〜1/4のところ
・柱及び壁の水平打継ぎは、スラブ、壁梁又は基礎の上端と監理指針に書かれています。

また、当たり前のことですが、「打継ぎ面はレイタンス及びぜい弱なコンクリートを取り除き、健全なコンクリートを露出させる」と標準仕様書に書かれています。私個人としては、どこで打継ぐかということよりも、打継ぎ面をどのように処理するかの方が重要と考えていますので、事前に施工計画書を提出させ、必ず実行させますし、工事監理において実際に見て確認します。

さて、梁の水平打継ぎですが、日本建築学会「プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説」に参考となる考え方が示されています。当時いろいろと調べましたが、これ以外は見たことがありません。手元にあるのは「1987改訂」なので最新版は分かりませんが、「82条打継ぎ面のせん断応力度」という項目があります。PC部分と現場打ち部分の継目のことですが、考え方は十分準用できると思っています。
概念的には、「水平打継ぎの生じる梁材を、先打ち部分と後打ち部分からなる合成梁と見なし、打継ぎ面におけるせん断応力度が許容応力度以下であることを確認する」といった感じです。
「83条打継ぎ面の処理と許容せん断応力度」という項目もあります。

梁の水平打継ぎを好む構造設計者はいないでしょう。もちろん私も好きではありません。しかしながら、ピット底板がある場合、ウォールガーダーとなる場合など、水平打継ぎが生じてしまう場合があることは否めません。これを拒否した場合は、今度はスラブが端部で打継ぎとなり、これをよしとする根拠は?となってしまいます。

構造計算上は、打継ぎがどこにあるかなど全く考慮されておらず、現実の施工においては必ずどこかに打継ぎが生じるのが実態ですから、設計者または監理者として、根拠を持ってその都度判断していくという姿勢が重要であると考えます。

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Re: アウトポールの逆梁について
momo 2006/02/16 15:22:44
貴重なご意見ありがとう御座います。

>さて、梁の水平打継ぎですが、日本建築学会「プレストレストコンクリート設計施工規準・同解説」に参考となる考え方が示されています。

打ち継ぎ面の応力伝達について根拠が見いだせそうですね。
うちにないので・・・^^; 買って読んでみます!!
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Re: アウトポールの逆梁について
かゑる 2006/02/16 19:39:30
>解析は立体でも疑似立体でも平面でも使えると
>思います、以下解説書の記載です(BUS−3、V2)。
>
>逆梁の応力解析モデルは梁芯はたの梁芯と同じ位置と
>しますが、フェースまでの所定の長さの剛域を取る
>ことにより剛性の調整を行っています。断面算定に
>用いる柱の内法長さは逆梁のフェース位置から算定
>します。

ご説明、有難うございました。
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Re: アウトポールの逆梁について
喰えないラーメン屋 2006/02/17 18:44:21
>・打ち継ぎは、梁上端にしています、柱も梁上端に合わせてます。
>スラブ面で打ち継がなければstpの割り増しは必要ないかと思いますが、ゼネコンの社内規定かもしれませんね。

1m上がりますからスラブ上で一旦止めるか、スラブに蓋をするか・・・打ち継ぎする予感。

柱から流れてくる水平力/ダボ剪断強度かな。

>また、意匠上許されるのであれば、スラブレベルを大梁より50mmほどあげさしてもらっています。それで、スラブ下端筋を大梁下端筋の上に呑み込ませています。

打設とも20000円/m3として、1.0×1.0×0.05×20000=1000円・・・50mm増打ちの予感。(^_^;
素直な性格じゃなくてスミマセン。
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Re: アウトポールの逆梁について
2満 2006/02/19 18:45:59
スラブ天端で打ち継ぐと、Fcの切り替え部で接合部のFcが逆梁と純梁部で変わります。要注意です。
逆梁部は直交梁がない場合として係数を0.85すべきです。厳しいですよね。
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Re: アウトポールの逆梁について
喰えないラーメン屋 2006/02/19 20:26:58
すご〜く気になってる事がありまして。
バルコニーで切られた耐震壁?は耐震壁ではないですよね
低層ならともかく、高層の場合は短スパン梁がせん断破壊するはずですから。
某チョー有名な(元)構造設計士は、そのような壁を耐震壁にして柱断面を小さくしていましたからね。
耐震壁のタテ剪断・・・無視してましたかね・・・有開口はオソロシカ。
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Re: アウトポールの逆梁について
momo 2006/02/20 22:06:43
>バルコニーで切られた耐震壁?は耐震壁ではないですよね
>低層ならともかく、高層の場合は短スパン梁がせん断破壊するはずですから。

終局時で
連層の有開口耐震壁の梁は負担せん断力を担保するだけの断面にしてます。
プログラムにはのらないので手であたってます。
10階程度だとD32&高強度stになりますね。

連層全体で比べてOKなら問題なしとしてますが・・・^^;


2満さん

Fcに関してはそうなりますね・・・注意せねば。

直交梁の係数に関してはどちらにしろバルコニー側なので片側
付で0.85でした^^;
ややこしいこと言ってすいませんでした。
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Re: アウトポールの逆梁について
喰えないラーメン屋 2006/02/21 07:57:55
>終局時で
>連層の有開口耐震壁の梁は負担せん断力を担保するだけの断面にしてます。
>プログラムにはのらないので手であたってます。
>10階程度だとD32&高強度stになりますね。
>
>連層全体で比べてOKなら問題なしとしてますが・・・^^;

壁の縦せん断力は大きいので、梁の剪断補強は出来ない(???)、必ず(多分かな?)梁が剪断破壊すると思っていたのですが・・・。
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へなちょこ構造屋 2006/02/14 17:45:36
施主の要望で、スパンが6m×6mの既存スラブの中央に1m角の開口を設けようと思うのですが・・・補強について、どのようにするのが一番良いでしょうか?(補強筋は入っていません。)
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Re: スラブ開口補強について
喰えないラーメン屋 2006/02/14 18:08:20
新築か改造によってレスが違うかも。
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Re: スラブ開口補強について
へなちょこ構造屋 2006/02/14 18:11:01
すみません。
改築です。よろしく御願いします。
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Re: スラブ開口補強について
喰えないラーメン屋 2006/02/14 19:15:24
6mスパンのスラブとしか条件が書かれてない推測です。
6mスパンだとスラブ厚200〜250、D13@200あると思われます。
1mの開口なら、長期荷重に対してはOKなのでは。(要:板解析で計算)

水平力に対しても、スラブ厚が厚ければOKかも。
鉄骨床ブレースと同じ計算方法で必要強度を算定。有開口耐震壁の開口補強筋の計算方法で補強筋が必要かどうか確認してみるのはどうでしょうか。
と口で言うのは簡単・・・(^_^;

鉄骨小梁をいれた事は有ります。鉄骨梁は撓みが大きいので結構大きめの梁にしました。
スラブとは50から100の隙間をとって、無収縮モルタル詰めします。
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Re: スラブ開口補強について
もぐら 2006/02/14 20:37:44
既存床に開口。結構やりました。
補強は喰えないサンと同じでS梁です。
床との接着はエポキシ樹脂を使ってます。
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誰を、何を信じればいいのですか?
まえくに 2006/02/14 15:20:34
今度の耐震偽装事件を受けて、報道に登場する構造設計者やここでの皆さんの
発言をみていると、構造設計者はずいぶん独善的だなと感じます。
御自分達が「正しい」ということは、一体何によって担保されているのでしょうか?

> 構造設計者が変われば結果も変わります。ギリギリで設計していれば
> すぐに耐震強度不足物件です

> 皆さん十分ご存じのように、考え方や計算手法を変えれば偽装せずとも
> クリアできる可能性は有りますよね。

構造設計者の「考え方次第」で、耐震強度がコロコロ変わる現状で、
何が「正しい」と一般の人に説明できるのでしょうか?
どうやって、居住者に安心してもらえるのでしょうか?

当たり前の話ですが、建物が保有している耐震性は竣工した時点で
もう既に定まっています(経年変化は抜きにして)。ただ、現在の技術が
低いために、その「現実の耐震性」を設計者が知る事が出来ないだけです。

構造設計者の考え方が変わっても、計算手法が変わっても、
既に建っている建物には物理的変化が無いのだから、
耐震性が変わったらおかしいでしょう?

残念ですが、いろいろな考え方が許される現状というのは、言い換えれば
現実の答えを誰も知らない、ということだと思います。
そんな中で、「自分は正しい」と声高に言う人達(それだって、せいぜい
建築基準法を満たしているかどうかのレベル)が、一般の人から信頼を
得られる日が果たして来るのでしょうか?
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
もぐら 2006/02/14 15:56:22
確かに一般の方にとってはわかりにくいかもしれませんね。

>構造設計者の考え方が変わっても、計算手法が変わっても、
>既に建っている建物には物理的変化が無いのだから、
>耐震性が変わったらおかしいでしょう?

まえくにさんはどういうお立場の方なんでしょうか?
一般の方ではなく建築関係かとは思われますが、少なくとも、構造関係では無い事は上記の発言でわかります。
科学が発達した現在、構造設計者の考えで耐震性が同一ではないのはおかしいかもしれませんが、まだまだ発展途上分野です。
地震のメカニズムも完全に解析されませんし、いつ地震が来るかも神様でもわかりません。

>そんな中で、「自分は正しい」と声高に言う人達(それだって、せいぜい建築基準法を満たしているかどうかのレベル)が、一般の人から信頼を
得られる日が果たして来るのでしょうか?

はい、「自分は正しい」と声高に言えるように頑張っていきたいと思います。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
まえくに 2006/02/14 16:51:04
> はい、「自分は正しい」と声高に言えるように頑張っていきたいと思います。

残念ですが、それでは「誰を、何を信じればいいのですか?」の
答えになっていません。

> 科学が発達した現在、構造設計者の考えで耐震性が同一ではないのは
> おかしいかもしれませんが、まだまだ発展途上分野です。
> 地震のメカニズムも完全に解析されませんし、いつ地震が来るかも神様
> でもわかりません。

仰る様に現在の技術的レベルは非常に低いのです。その中で、本当に
専門家としての責任を果たせているのでしょうか?
自己満足で終わってはいませんか?

ですから、最初に「構造設計者はずいぶん独善的」と書いたのです。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
らいま 2006/02/14 17:36:41
>「誰を、何を信じればいいのですか?」

建築構造設計をよく理解できていない一般の方々が抱きやすい不安ですね。
それも行政の安易な発表、マスコミの安易な報道の結果かもしれません。

自分の住んでいる建物を設計した設計者および構造設計者を信じましょう。
確かに、偽造を行うような構造設計者も居るのかもしれません。
しかし、それは僅かな人数です。
大部分は真面目に取り組んでいると思います。

例が悪いですが、病気になったら誰を信じますか?
手術をするようになったら誰を信じますか?
主治医や執刀医だと思います。
セカンドオピニオンという言葉があるように、医師によって
治療法や見解が異なる事はあります。
しかし、信じるしかありません。

建築も有る意味では似てると思います。
独善的だとは思っていません。
構造設計には設計者の判断が必要です。
判断が必要だから答えは1つではないのです。
どれも正解ですが、最良の設計というのは誰にも分らないと思います。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/14 17:37:06
>構造設計者の「考え方次第」で、耐震強度がコロコロ変わる現状で、
>何が「正しい」と一般の人に説明できるのでしょうか?
>どうやって、居住者に安心してもらえるのでしょうか?

誰が計算してもクリアしてなければ、居住者は安心出来ないと思います。

>構造設計者の考え方が変わっても、計算手法が変わっても、
>既に建っている建物には物理的変化が無いのだから、
>耐震性が変わったらおかしいでしょう?

計算結果の数値は異なっても、建物強度は変わらないのですよね。
高度な計算をしたから建物強度が上がる訳ではないし。
限界耐力計算をすると強度が上がると思ってる構造計算屋さん
・・・。

>建築基準法を満たしているかどうかのレベル)が、一般の人から信頼を
>得られる日が果たして来るのでしょうか?

構造計算はアバウトだからこそ、ギリギリの設計は危険だと思っています。
いつ、どんな地震が来るか解りませんので・・
小さな物件しかやってないのでこんな事を言っていられます。
まぁ、計算間違いが多いので余裕の有る計算を心がけています。ハズカシ(^_^;
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
よんぶんのいち 2006/02/14 18:16:38
まえくにさんこんにちは。

まえくにさんはどの分野のお仕事をされておられるのでしょうか。
もしその辺がわかれば、より一層理解していただきやすい話(例え話等)が
出来ると思います。
おそらくもぐらさんもその辺の意図で聞いておられるのでしょうから、
お答えいただけると助かります。

設計という仕事に従事するものとしては、たとえ自動車でも船舶でも
宇宙船でも、設計者によって出す答えが異なるのは当然だという認識を
持っています。
この辺を最初から掛け違えてしまうと単なる水掛け論になってしまい、
場合によっては相手を論破してやるぞと待ち構えているだけの人だと
思われてしまいかねません。

一度、御自身の考えをよく整理した上でまとめて書き込んでみてはい
かがでしょうか。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
兄出歯 2006/02/14 19:33:30
まえくにサン

>御自分達が「正しい」ということは、一体何によって
>担保されているのでしょうか?

多くの建築物は「手作り」なのです、そこには多くの
人手が介在し、施工にも左右されます、残念ながら
目下の建築技術では「正しい」「完全」「100%」
etcはあり得ません。

構造設計屋も最善を尽くして設計はしますが、どの
地震まで耐えるかなんて設計者自身も全く解らない
です(これは現実)

あなたが信じたい気持ちは理解出来ますが、本当の
強度は神のみぞ知る、これが回答です。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
toyochan 2006/02/14 21:24:29
>当たり前の話ですが、建物が保有している耐震性は竣工した時点でもう既に定まっています。
>構造設計者の考え方が変わっても、計算手法が変わっても、
>既に建っている建物には物理的変化が無いのだから、
>耐震性が変わったらおかしいでしょう?

 その通りです。できあがった建物の「真の耐震強度」は計算によって変わりません。また、建物が必要とする「最低限の耐震強度」も変わらないとしてよいでしょう。

わかっていただきたいのは、「計算書の耐震強度」は「真の耐震強度」ではないと言うことです。計算書は「真の耐震強度」>「最低限の耐震強度」を判断するための材料にすぎません。
 計算手法には、厳密なものから簡略的なものまで様々の方法がありますが、一般的に簡略的な計算手法ほど誤差を考慮して、「建物の耐震強度」が低めに、「必要とする耐震強度」が高めに評価されて計算されることによって安全が確保されるようになっていると考えてください。法令は基本的に安全側の誤差が積み重なっていくようになっています。

 設計者の考え方の違いについての例をあげます。
「この建物は予定より重いものを載せるかもしれない」と考え、荷重を多めに拾ったとします。
この場合、計算書では安全率が1.0となっても、実際はそれ以上の安全率を持っていることになります。またその逆に、荷重は最小限で拾っておいて、安全率の方で余裕を持たせるという考えもあります。
 実際の耐震強度が同じでも、計算書の数値は異なります。

法令も一定のラインを定めているだけなので、どんな地震が来ても大丈夫とは言い切れません。安全率1.0なら安心で0.99なら心配というものでもないのです。法令を作った国を信じるしかないでしょう。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
momo 2006/02/14 22:02:30
>仰る様に現在の技術的レベルは非常に低いのです。その中で、本当に
>専門家としての責任を果たせているのでしょうか?
>自己満足で終わってはいませんか?


煽ってるだけのような気もしますが・・・

らいまさんの医者のたとえが分かりやすいですね。
ただ、医者は患者が治ったり、悪くなったりするのが
目に見えて「分かる」ところがちょっと違うのかな。
我々の成果は大きな地震でも来ない限り分かりませんもんね。

技術的レベルが低い根拠が知りたいですが、新耐震以降の物件
の、阪神大震災での被災率をみても我が国の技術レベルは実証
されていると思っていましたがどうなんでしょうか。

建物が壊れる理由は
構造理論・計算方法・材料特性・情報の伝達・経済要因
のどこかに起因するととある本には書いてありますが、

基準法・設計者・施工者・整合性・施主orデベ
と考えるとスムーズに理解できます。

建物が竣工するまで、驚くほどの人の手が経済活動を伴って
係わっています。そんな複合的な要素を誰もパーフェクトに
コントロール出来ません。
構造法規はそれらを包絡するレベルをおさえているのだと思
います。(しかしそれさえも確率論で)

これは裏を返せば、基準法を満たせばある程度設計に自由度が
許されているのです。

これは技術者の経験やスキルにより様々だと思います。
そういう意味でこの掲示板に皆さん書き込まれているのだと
思いますよ。

自然科学を相手にしているだけに自己満足は永遠にありません・・・。
これが悲しいところ。

学生の頃のようにかっこいいデザインをして、自己満足して
いたかったなー。どこで間違ったんだろう(笑
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
(no name) 2006/02/14 23:40:21
>御自分達が「正しい」ということは、一体何によって担保されているのでしょうか?

何が正しいのかわからないので法令や基準類をよりどころにしてます。



>構造設計者の「考え方次第」で、耐震強度がコロコロ変わる現状で、
>何が「正しい」と一般の人に説明できるのでしょうか?
>どうやって、居住者に安心してもらえるのでしょうか?


安心できないなら、一般の人が自分で安心できるように行動すればいいと思うな。構造設計者の「考え方次第」で、耐震強度がコロコロ変わるのだから、その事実のリスクを少しでも低くするよう努力してください。



>現実の答えを誰も知らない、ということだと思います。
>そんな中で、「自分は正しい」と声高に言う人達(それだって、せいぜい
>建築基準法を満たしているかどうかのレベル)が、一般の人から信頼を
>得られる日が果たして来るのでしょうか?


「自分は正しい」と声高に言わない人を信じればいい。
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すばらしい!
もぐら 2006/02/15 07:15:34
toyochanさん

いつも完璧なレスですね。感服いたします。
このように理路整然と説明できるtoyochanさんを尊敬いたします。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/15 10:19:18
momoさん

>煽ってるだけのような気もしますが・・・

煽りではなく問題提起だと思います。(^_^)
私は、まえくにサンのご意見と全く同じです。

安全性を検証するための判定は、計算する人によって異なるのは当たり前。
正解がないので、0.9でも0.8でも0.7でも安全ではないとは言えない。
と言っているように聞こえます。
構造計算屋以外の一般の人はどう思われるでしょうか・・・と。

有る物件のチェックでで、同じソフトを使用、自分の計算手法だと0.6、元計算の手法だと1.0になったと聞きました。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
momo 2006/02/15 11:35:31
>momoさん
>
>>煽ってるだけのような気もしますが・・・
>
>煽りではなく問題提起だと思います。(^_^)

そうでした。すいません・・。

>私は、まえくにサンのご意見と全く同じです。
>安全性を検証するための判定は、計算する人によって異なるのは当たり前。
>正解がないので、0.9でも0.8でも0.7でも安全ではないとは言えない。
>と言っているように聞こえます。
>構造計算屋以外の一般の人はどう思われるでしょうか・・・と。

これは国交省や、マスコミがQu/Quで一元的に耐震強度を検証したところに問題があると思うのですが。だからみなさん分かりやすく説明していらっしゃる。

>有る物件のチェックでで、同じソフトを使用、自分の計算手法だと0.6、元計算の手法だと1.0になったと聞きました。

この0.6、1.0とかっていうファクターで語る事自体間違っているんじゃないでしょうか。一般の方にもその辺を理解して頂きたいなーと。

構造設計者の責任逃れでは決してありませんが、自己満足といわれれば・・・うーん違うなーと思ったので。

喰えないさんも「分からない」部分が多いので強度に余裕を持って設計されているんですよね。

性能設計で変形と外力との関係がある程度明確になると
一般の方々にも分かりやすい構造設計が出来るんでしょうか。
そのとき説得力をもって説明出来るよう、まだまだ鍛錬が必要ですな。私は。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
まえくに 2006/02/15 13:00:58
本当に多くの方にご意見をお寄せいただき、とても感謝しています。
特に喰えないラーメン屋さんには、私の考えに賛意を示していただき
とても嬉しく思います。

私は別に、「設計者によって出す答えが異なる」ことが
悪いことだとは思っていません。
建築の設計というのは、とても創造的な仕事だと思っています。
それは当然、構造設計にもあてはまります。
それぞれの構造設計者が自由に考え、自由に設計すべきです。

建築基準法による構造規定も、本来は必要のないものです。
建築学会や研究機関などの「技術提案」から、設計者が自由に
設計手法を取捨選択すればよいことです。
設計者のオリジナルの理論だって、もちろんOKですよね。
自然法則に従って、安全な設計をすればいいだけの話で、
建築基準法がなければ設計できないわけではないでしょう?


しかし、それと一般の人から「信用を得る」ことは別問題だと思います。
少し前までは、「市役所or審査機関で確認済みです」と言えば
事足りていましたが、これからはそうはいきません。

> 治療法や見解が異なる事はあります。
> しかし、信じるしかありません。

> 構造計算はアバウトだからこそ、ギリギリの設計は危険だと思っています。
> いつ、どんな地震が来るか解りませんので・・

> 構造設計屋も最善を尽くして設計はしますが、どの
> 地震まで耐えるかなんて設計者自身も全く解らない
> です(これは現実)

> 法令も一定のラインを定めているだけなので、どんな地震が来ても大丈夫とは
> 言い切れません。安全率1.0なら安心で0.99なら心配というものでもないのです。
> 法令を作った国を信じるしかないでしょう。

> ただ、医者は患者が治ったり、悪くなったりするのが
> 目に見えて「分かる」ところがちょっと違うのかな。
> 我々の成果は大きな地震でも来ない限り分かりませんもんね。

> 安心できないなら、一般の人が自分で安心できるように行動すればいいと思うな。
> 構造設計者の「考え方次第」で、耐震強度がコロコロ変わるのだから、その事実の
> リスクを少しでも低くするよう努力してください。


構造設計者に出来ることは、自分自身も地震が来ないとわからないので、
一般の人に向けて「信じるしかない」と言うことだけでしょうか?
信用に足る材料を示すことはできないのでしょうか?
それは、とても悲しいことのように思います。

国や住民に、責任を押し付けるのですか?
私は設計者はもっと独立して、尊厳のあるものだと思いたいです。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
兄出歯 2006/02/15 13:24:11
>それぞれの構造設計者が自由に考え、自由に設計すべきです。
>建築基準法による構造規定も、本来は必要のないものです。

全くその通りですね、最近の傾向として折角良い方向に
構造設計が向かっていたのに、こんな事件で逆行しそう
なのは残念な事です。

>信用に足る材料を示すことはできないのでしょうか?
>それは、とても悲しいことのように思います。

「耐震保証出来る根拠」は今の建築技術では無理です、
悲しい事ですが、構造設計屋のどなたもがぶち当たる壁では
無いでしょうか。

>国や住民に、責任を押し付けるのですか?

押しつけているのでは無いですが、一般の方には
理解し難い結果であります。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
らいま 2006/02/15 13:24:38
喰えないさんの意見も納得ですね。
確かに問題提起されているのでしょう。
しかし、その問題を解決するのは容易ではないと思います。
だけど、解決しなければならない問題でも有ります。
多分、誰が計算しても同じ結果になるようなシステムにならないと世論は納得しないのでしょうけど・・・。
そうなると『構造設計者』ではなく、喰えないさんが書いておられるように、『構造計算屋』になってしまうんでしょうね。
悲しい事です。

>有る物件のチェックでで、同じソフトを使用、自分の計算手法だと0.6、元計算の手法だと1.0になったと聞きました。

計算条件の選択によってはあると思いませんか?
以前のスレでありましたが、脆性破壊部材の取り扱いやせん断破壊した部材の取り扱い方で、耐力は大きく違ってくる事もあります。
当然、選択には根拠が必要ですが、脆性破壊でストップした場合と、脆性破壊した部材を保持又は取り除いて解析を続けた場合では0.6と1.0の差が出る事もあるかもしれません。
逆に言うと、0.6と判断した人は詳細な検討をしないで耐力を決定し、1.0と判断した人は詳細な検討をした上で耐力を決定したのかもしれません。
ただ、建物の耐力そのものが変わるわけではないので、数字のマジックでしょうね。
解析方法によって建物の耐力が変わるのではなく、解析方法によって計算上の耐力が変わるということですかね。
この辺りがとってもファジーですけど。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
もぐら 2006/02/15 13:57:02
>信用に足る材料を示すことはできないのでしょうか?
>それは、とても悲しいことのように思います。

構造計算書が信用に足る材料だと思いますよ。
もっともそれが信用されないなら仕方ないけど。

ところで再度質問。
まえくにさんってどういうお立場の方?
それがわかれば皆さんも説明しやすいと思うけど。
想像するに..学生さんかな?
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
よんぶんのいち 2006/02/15 14:44:23
まえくにさんこんにちは。
御自身の最初の書き込みより

>構造設計者の「考え方次第」で、耐震強度がコロコロ変わる現状で、
>何が「正しい」と一般の人に説明できるのでしょうか?

>既に建っている建物には物理的変化が無いのだから、
>耐震性が変わったらおかしいでしょう?

とありますから、最初は設計者により数値が変わる設計はおかしいし、
それは技術レベルが低いから値が変わるのであって、ゆえにそんな
設計は信頼できないとの論を展開されていると思っていましたが、
後の書き込みで

>私は別に、「設計者によって出す答えが異なる」ことが
>悪いことだとは思っていません。

とあります。方向転換したのですか?
私はあなたの書き込みが問題提議とは思えません。
よろしければお立場を教えていただけないでしょうか。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
toyochan 2006/02/15 14:46:47
>構造設計者に出来ることは、自分自身も地震が来ないとわからないので、一般の人に向けて「信じるしかない」と言うことだけでしょうか?

法令は多くの人たちの研究や実験の成果によってできあがっています。構造設計者自身が研究や実験をして確認したわけでないので、私たちはそれを「信じて」設計をしています。疑いだすと、きりがありません。
ただ、一般の人に理解しにくいのはよくわかります。信頼関係がないと、この社会は崩壊します。まさに今そのような状況になりつつあるのだと思います。一般の人達、行政、設計者それぞれがお互いに不信感を抱きあっています。

>信用に足る材料を示すことはできないのでしょうか?

これは一設計者の力では到底できるものではありません。ですから、私はJSCAをはじめとする有識者の組織に期待します。

信用に足るかどうかわかりませんが、最近の地震被害の状況を検証してみるとよいかもしれせん。法令の想定以上であった阪神淡路大震災でも、最近の震度5〜6の中地震でも、新耐震できちんと設計されたものは予想以上に頑張っていると思うのですが・・・
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
momo 2006/02/15 15:24:47
>私は別に、「設計者によって出す答えが異なる」ことが
>悪いことだとは思っていません。
>建築の設計というのは、とても創造的な仕事だと思っています。
>それは当然、構造設計にもあてはまります。
>それぞれの構造設計者が自由に考え、自由に設計すべきです。
>
>建築基準法による構造規定も、本来は必要のないものです。
>建築学会や研究機関などの「技術提案」から、設計者が自由に
>設計手法を取捨選択すればよいことです。
>設計者のオリジナルの理論だって、もちろんOKですよね。
>自然法則に従って、安全な設計をすればいいだけの話で、
>建築基準法がなければ設計できないわけではないでしょう?
>


では「独善的」でいいんじゃないでしょうか。
みなさん苦労して努力して経験を積まれているんですし。
悪いことしているわけではない。

「信用を得る」こととは別であることは分かりますが。
信用なんてものはそもそもどんな業種であれ「こうすれば」
っていうものはないわけだし。「そこを考えろ」
と言われてもマスコミに煽られているようにしか思えません。

>構造設計者に出来ることは、自分自身も地震が来ないとわからないので、
>一般の人に向けて「信じるしかない」と言うことだけでしょうか?

なぜか極論のような気がします。地震時の挙動などは我々は専門家ですから
ある程度(この曖昧さがだめなのかな)分かります。しかし一般の方に分か
りやすく説明する手段を持たないんだと思います。専門分野なりの難易度があります。

私も極論を言いますと。
「信用される」=「地震が来ても大丈夫と判断できる」
とすれば、
白か黒かをはっきり明示出来るようになったとき我々の職業は無くなります。
ま、それが社会にとってはより良い社会って事になるんでしょうね。

どうすれば信用頂けるか。
我々はサッカーのGKのように失敗するとすごく目立っちゃいますね。
FWのように点を取れれば分かりやすく信用のおけるFW、いや
設計者になれるかも。

ここからは愚痴ですが。
一般の方が地震が来たときに我が身が安全に守られたとき、設計者に感謝する心
なんてのも現状あるんでしょうか。なんとも「住」に対する価値観が低くなかった
でしょうか。この問題が起きてからあわてて「信用させろ」といわれても難しいで
すよね。

下請け的に扱われた構造設計者がやっと日の目を見ることが出来ること、こうやって
他分野からのご指摘を受けられる用になったこと本当に良かったと思います。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
2満 2006/02/15 16:58:13
よんぶんのいちさん

鋭い指摘ですね。
構造計算の再チェックを依頼された構造屋さんの様です。

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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/15 17:08:31
らいまサン

>計算条件の選択によってはあると思いませんか?
>以前のスレでありましたが、脆性破壊部材の取り扱いやせん断破壊した部材の取り扱い方で、耐力は大きく違ってくる事もあります。
>当然、選択には根拠が必要ですが、脆性破壊でストップした場合と、脆性破壊した部材を保持又は取り除いて解析を続けた場合では0.6と1.0の差が出る事もあるかもしれません。

大抵の計算書にはそのことが書いてありません。
ソフトの出力が付いているだけです。

1時間程度ですが10数棟の計算書を見ました。
その内、2物件だけが最初のページに方針とモデル化と結果が書かれていました。今まで付けていなかったので、真似するつもりです。

>逆に言うと、0.6と判断した人は詳細な検討をしないで耐力を決定し、1.0と判断した人は詳細な検討をした上で耐力を決定したのかもしれません。

その逆だから問題になってるわけでして・・・(^_^;

>この辺りがとってもファジーですけど。

ファジーなのかアバウトなのかインチキなのか本人以外は簡単に解らない。(^_^;
相談会では、インチキはしてないようだし、構造計算自体はは適当だから結果にばらつきがあるのが当たり前です。あまり、心配する必要はありませんよ。と、納得して貰っています。(^_^;(^_^;
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/15 18:09:59
momoサン

>下請け的に扱われた構造設計者がやっと日の目を見ることが出来ること、こうやって

午後の協会の会議にての雑談。
これから構造屋さんが強くなって計算料が2倍になったらどうしようなんて話が・・・
是非上げて下さいと言っておきました。

間違いなく(?)同業の構造屋さんですよ。
内輪だけで解るものだけがOKOKと言ってて済まされるのかと仰りたいのでは・・・。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
まえくに 2006/02/15 19:54:48
理解してくださっている方もいらっしゃるので、あえて説明する必要はないとも
思いましたが、言葉が足りなかったかもしれません。

私の前の発言
『当たり前の話ですが、建物が保有している耐震性は竣工した時点で
もう既に定まっています(経年変化は抜きにして)。ただ、現在の技術が
低いために、その「現実の耐震性」を設計者が知る事が出来ないだけです。』

> 計算結果の数値は異なっても、建物強度は変わらないのですよね。
> 高度な計算をしたから建物強度が上がる訳ではないし。
> 限界耐力計算をすると強度が上がると思ってる構造計算屋さん
> ・・・。

> その通りです。できあがった建物の「真の耐震強度」は計算によって変わりません。

> ただ、建物の耐力そのものが変わるわけではないので、数字のマジックでしょうね。
> 解析方法によって建物の耐力が変わるのではなく、解析方法によって計算上の耐力が
> 変わるということですかね。

私は、「現実の耐震性」という言葉を用いたのですが、それは他の方が仰る、
「建物強度」、「真の耐震強度」、「建物の耐力そのもの」と同じことを意味しています。

この「現実の耐震性」がわからない現状で、構造設計者として一般の人から
信用を得るために出来ることはなんですか?というのが主旨です。

設計手法がどんな方法であっても構わないですよね。
信用が得られれば。そして、いざ大地震が起こったときにその信用を
失うような現実に直面しなければ。

> 間違いなく(?)同業の構造屋さんですよ。
> 内輪だけで解るものだけがOKOKと言ってて済まされるのかと仰りたいのでは・・・。
喰えないラーメン屋さん、本当にありがとうございます。
御慧眼、心から敬服いたします。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
よんぶんのいち 2006/02/15 20:50:07
まえくにさんこんばんは。

>この「現実の耐震性」がわからない現状で、構造設計者として一般の人から
>信用を得るために出来ることはなんですか?というのが主旨です。

どんどん話をそらしていますね。

まず一つ一つ確認していきましょう。
あなたは最初、設計者により耐震性の値が異なるのはおかしい、
それは技術的レベルが非常に低いからであるといっていましたよね。
それが設計者により値が異なるのは問題ではないと言い換えた理由は
何ですか。

「現実の耐震性」がわからないがゆえにあなた以外の一般の人が
全く構造設計を信頼できないという話がどこかにあるのですか。

まさか、他ジャンルの設計なら真の値は全て判り、建築耐震設計のみが
あやふやであるなど思っているのではないでしょうか?
一体どんな職種の方でしょうか?

ご自身にとって都合のよい書き込みにしか「理解してくださっている」
といわないので私の書き込みには返答しないのでしょうね。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
momo 2006/02/15 20:51:18
喰えないラーメン屋さん

>これから構造屋さんが強くなって計算料が2倍になったらどうしようなんて話が・・・
>是非上げて下さいと言っておきました。

早速ありがとう御座います。^^;

>間違いなく(?)同業の構造屋さんですよ。

そう思いましたが、問題提起の説明ばかりで何故一緒に考えてくださらないんで
しょうと思いましたが・・・ネェ。
まあ、考えさせられた事はよかったですね。自己満足^^;
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
toyochan 2006/02/15 21:42:35
まえくにさん

あなた自身はどうすればよいと思われますか?
あなたが同業者であるなら、一般の人に対してどのように説明すれば信頼を得られるとお考えですか?

ぜひあなた自身のお考えをお聞かせください。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
天婆〜さん 2006/02/15 22:00:04
まえくにさんこんばんは。 天婆〜さんと申します。

>>この「現実の耐震性」がわからない現状で、構造設計者として一般の人から
>>信用を得るために出来ることはなんですか?というのが主旨です。
>
>どんどん話をそらしていますね。
>
>まず一つ一つ確認していきましょう。
>あなたは最初、設計者により耐震性の値が異なるのはおかしい、
>それは技術的レベルが非常に低いからであるといっていましたよね。
>それが設計者により値が異なるのは問題ではないと言い換えた理由は
>何ですか。
>
>「現実の耐震性」がわからないがゆえにあなた以外の一般の人が
>全く構造設計を信頼できないという話がどこかにあるのですか。
>
>まさか、他ジャンルの設計なら真の値は全て判り、建築耐震設計のみが
>あやふやであるなど思っているのではないでしょうか?

ここで、よんぶんのいちさんが仰っている事は最初の発言と、最近の
発言では少し内容が食違っている様に思えるからです。

許容応力度計算にしろ限界耐力、エネルギー法等の計算法において
は確立論的に見て、絶対値では無い事は御解りだと思います。

あくまで、「誰を、何を信じればいいのですか?」との問には
目標設定値に最も近い精算値を出す事のできる各計算法の算出数値
のバラツキ等の確立論ではないかと思います。

本来ならばこの様な議論は、もっと早く(二十世紀)からあっても
良かったのでは無いかと思いますが、当方の考えかたとしては

「信じられる≒確立」と思われるが・・・
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/16 03:17:53
>あなた自身はどうすればよいと思われますか?
>あなたが同業者であるなら、一般の人に対してどのように説明すれば信頼を得られるとお考えですか?
>
>ぜひあなた自身のお考えをお聞かせください。

解らないから問いかけてるのでして・・・

アメリカ人が食べてる牛肉だから、BSEの心配はしなくて良いという人もいるし、それでも心配な人もいるし。

同じ建物を10人の人が計算して、そのうち1人だけがQun/Qu>1で、他の人は0.8〜0.99であった。
当然その1人は計算に地震はある。絶対間違いはないという。
計算結果にはばらつきがあるのだから、この建物は概ね安心ですと答える人もいる・・・かも知れない構造設計業界。(^^ゞ

数値を公表せずにOKでしたと言うのが、一般の人に不安感を煽らない唯一の方法かも。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
とし坊 2006/02/16 07:12:22
>>ぜひあなた自身のお考えをお聞かせください。
>
>解らないから問いかけてるのでして・・・
>

少し煽りすぎではないですか?
toyochan さんは前レスで、理路整然とした見解を述べられています。
まえくにさん はそのレスに対しての自分の意見を述べられていません。

どのような方から問いかけられているか、議論の上で重要でしょう。

一般の方であれば、Qu/Qun で判断する事の問題点、Qu Qunの意味を
丁寧に説明する必要があるとおもいます。
専門家の方であれば、マスメディアが Qu/Qunだけで建物の安全性を
論じていること、再検証された Qu, Qun の再々検証の必要性を
議論すでべきではないでしょうか。

誰を何を信じれば・・一般の方であれば、構造設計家を。
          専門家の方であれば、自分自身を。
(その信頼が揺らいでいるが、最後は上の結論になるべきと思う)

まえくにさんの素性推測(おふざけで)
 1.一般の方・・・これはない。
 2.構造関係の教育者・・ 20%
 3.構造関係の公務員・・ 40%
 4.構造に詳しい意匠設計者・・25%
 5.構造設計実務者・・・15%

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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/16 08:40:31
>どのような方から問いかけられているか、議論の上で重要でしょう。

なぜ立場が必要かさっぱり理解出来ません。
まえくにさんに納得して貰うためですか。
一般の人に信頼して貰うためにはどうしたら良いかってことではないのでしょうか。

>誰を何を信じれば・・一般の方であれば、構造設計家を。
>          専門家の方であれば、自分自身を。
>(その信頼が揺らいでいるが、最後は上の結論になるべきと思う)

一般の人が無くした信頼を取り戻すのは大変です。
再び、BSE牛
1棟でもBSE牛がいれば、もっと居るんじゃないかと疑うのが一般人。絶対に居ないというのが業界人。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
らいま 2006/02/16 09:37:36
いつまでたっても結論は出ないと思いますよ。
だって、信じるっていう事は、その人自身によって違うから。
神を信じる人が居れば仏を信じる人が居る。
逆に神も仏も信じない人も居る。

つまりは、自分が信じる人、自分が信じるものを信じればいいと思います。

構造設計の議論よりも、こういう漠然とした答えのほうが、まえくにさんには一番納得してもらえると思いましたけど・・・
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
toyochan 2006/02/16 09:59:58
>数値を公表せずにOKでしたと言うのが、一般の人に不安感を煽らない唯一の方法かも。

これは喰えないラーメン屋さんのように、世間から明らかに有識者と認められる立場の方でないとできないように思えます。

自分の設計したマンションの住民に呼び出されると、まさに証人喚問です。私のように構造士の資格もない一個人事務所の建築士は最初から疑いの目で見られます。

「一般の人に対してどのように説明すれば信頼を得られるとお考えですか?」
これは私にとっても切実な質問なのです。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
よんぶんのいち 2006/02/16 11:01:06
皆様こんにちは。

一般の方から疑いの目で見られている原因は計算書偽装をするような
設計者が他にもいるのでは?という点であり、我々にはその疑問を
払拭する明確な答えがないのは事実です。その点の問題提議なら
議論すべき事柄ですし、満足に答えられない私に非はあるでしょう。

がしかし、まえくにさんの書き込みがその事をさしていた様には
到底読み取れませんよね。途中で言ってる事変えるし。

もし真の耐震性がわからない故に一般の人から信頼されなくなっている
事実があるなら、その様な情報を得た自身の立場とともに問い掛けを
書き込みすればよろしい。
(個人的には偽装ゆえ信頼を失ったので真の耐震性がわかっても
信頼回復にはつながらないと思いますが。)

まえくにさんの最初の書きこみは、言いたくはないですがただ
人を叱りたかっただけにしか見えませんよ。
そのあと
「いや、私が言いたかったのは・・・」
ときましたから、次は
「ともあれ活発な議論が出来たのは良かった。」
でオチですかね?
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/16 11:15:38
ごくたまに設計(構造含む)にありついている山奥の設計業で、どちらかというと一般人(に近い)です。
信頼がないので、滅多に構造設計委託はされません。(-_;)
人相風体だけで怪しまれています。

>「一般の人に対してどのように説明すれば信頼を得られるとお考えですか?」
>これは私にとっても切実な質問なのです。
ん〜んん〜ん。
第3者(他の構造事務所)に簡単に見て貰うのも手かな・・・と思っています。見て貰うのはよいけど、他人ののは面倒だから見たくない。
構造士は取れそうもない。
士会の方は申請だけだから・・・(^_^;
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/16 11:28:33
よんぶんのいちサン

>まえくにさんの最初の書きこみは、言いたくはないですがただ
>人を叱りたかっただけにしか見えませんよ。

誉めてるように見えたのですが・・・。(^_^;
構造屋さんは独善的・・・技術者だから当たり前。
言いなりになったアネハ計算屋さん。

魔法の薬=工学的判断
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
marcun 2006/02/16 16:20:38
ちょっと極端な意見かもしれませんが・・・

皆さんはご自身が末期のガン告知を受けたら、どうしますか?
恐らくガンという病気について、ご自身なりに勉強されるのではないでしょうか?
若しくは、セカンドオピニオンを利用する人もいると思います。

「信用できる何か」をつかみたいのであれば、その事柄を理解し得るだけの知識が必要なのだと思います。
一般の方々には厳しい言い方ですが、それほどまでに「何か」を信じたいのであれば、ある程度ご自分で勉強していただくしか無いのでは?と思います。

それができない、したくないと言うのであれば、専門家数人に意見を聞いて、どれを信じるかを選択するか、ご自身なりの「何か」を見つけるしかないのではないでしょうか。
(セカンドオピニオンと同じことです)

話が少々くどいですが、「どのように説明すれば信用を得られるか」も重要と思いますが、相手にその受け皿が無ければ、実現不可能な気がします。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
まえくに 2006/02/16 17:01:42
何か、とても勘違いされてる方もいらっしゃいますが・・・
私は別に教師ではないので、生徒を叱ったり、議題をあたえて
活発な討論を行なわせたい訳ではありません。
また、最後に話をまとめて「答えはこれだ」と示せるほど
偉いわけでもありません。

皆様の意見は、どれも傾聴に値するものだと思っています。
匿名のインターネット上で、コミュニケーションを取るという事の
難しさを実感してはいますが、多くの方の書き込みに対して
感謝の念に堪えません。

私も、構造設計に係わる専門家です。自分自身の問いに対して、
今も悩み続けています。その中で自分なりに考えたことを
次に述べたいと思います。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
まえくに 2006/02/16 17:03:03
最初のほうの書き込みで、「医者のことだって、信じるしかない」という話がありました。
しかし、その医者の世界でも、いっこうに減らない医療過誤のせいで、
その信頼性が揺らいでいます。

話としてあがったセカンド・オピニオンもその対策として有効な方法ですが、
患者からの信頼を得る方法として他にも必要だとされているのは、
「インフォームド・コンセント」です。
少し長いですが、Wikipediaから「インフォームド・コンセント」についての
説明を引用します。

---------------------------------------------
インフォームド・コンセント (informed consent)(以下、IC) とは、医療行為(投薬・手術・検査など)や治験、人体実験の対象者(患者や被験者)が、治療や実験の内容についてよく説明を受け理解した上で(informed)、施行に同意する(consent)事である。説明の内容としては、対象となる行為の名称・内容・期待されている結果のみではなく、副作用や成功率、予後までも含んだ正確な情報が与えられることが望まれている。

「説明・理解」と「同意」のどちらが欠けてもICとして成立しないが、しばしばこの点は誤解される。「お医者様に全部お任せします」といって十分な説明を受けない態度や、「十分に医師・歯科医師として説明は行った」として半ば説得して「同意」させる態度があるが、これらは不十分なICの例である。

ICは、従来の医師・歯科医師の絶対的権威に基づいた医療を改め、患者の選択権・自由意志を最大限尊重するという前提に基づいている。説明する側は検査や治験の利点のみならず、効用の原理を平易な言葉で説明し、副作用や合併症などの予期される危険度や、他の選択枝(alternatives)についても十分な説明を行い、同意を得る必要がある。また、同意をいつでも撤回できることが条件として重要である。こうすることで初めて、自由意志で治療または実験を受けられることになる。
---------------------------------------------
▲ page top
Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
まえくに 2006/02/16 17:06:08
構造設計者も専門家として、一般人である建築主や居住者が、
「インフォームド・コンセント」をできるようにすべきではないでしょうか。

構造設計者の間に様々な考え方の違いがあるのなら、それらの違いについて
平易な言葉を用いて、建築主や居住者が理解できるように全てを伝えましょう。
その考え方の違いに含まれるメリット・デメリットや、それにかかるコスト。
リスクの程度、現在の技術の限界点、数字の信頼性、計算の信頼性などの不確定要素。
それらのすべてです。
その際、「自分はこう思っている」「自分が正しい」などと言う必要はありません。

数多くの選択肢の中から設計方法の妥当性を判断するのは、建築主や居住者です。
設計者が提示し説明するのは、建築主や居住者が判断するための材料です。
そこでは、設計者に可能なかぎりの客観性が求められます。

現在、設計者の間では考え方の中に、安全側から危険側まで非常に広い幅の
グレーゾーンがあります。その不確定なリスクについて、建築主や居住者自身が
どの程度まで許容できるのか。それを建築主や居住者が理解し、
納得して判断できるように、設計者は説明を尽くさなければなりません。

この先どれほど技術が進歩しようとも、かならず「わからないこと」は残ります。
その「わからないこと」を隠すのではなく、今、提示できることはすべて提示し
「わからないことによるリスク」を、社会全体が共有しなければなりません。
しかも、提示する方法は、一般の人が理解できるように平易にです。

このような説明をすることは、決して容易なことではありません。
しかし、ここまでして初めて構造設計者は「独善」とのそしりを免れ、
専門家としての責任を果たせるのではないでしょうか。

私は先に「構造設計者は自由に設計すべき」と書きました。
しかし、それは建築主や居住者の意思を尊重した上でのことです。

これが、現在私が考えている「信用される構造設計者像」です。
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/16 18:58:37
>私は先に「構造設計者は自由に設計すべき」と書きました。
>しかし、それは建築主や居住者の意思を尊重した上でのことです。

マンション建築主(一部)の意思は尊重しない方が良いと思います。偏見&アゲアシ。

構造設計者が建築主や居住者と顔を合わせるのは、建物完成後のトラブルが有った場合のみです・・・。残念ながら、それ以外は表に出る事はありません。

耐震相談会(半隠居で暇そうにしているので出番が多い)では、なるたけ記号(FcやQu)を言わずに言葉で説明しています。
相談しに来て良かったと言われると嬉しい・・。

作文は苦手だけど、読む方はチャンと読んでいるはずだが・・・(゚o゚) 
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
momo 2006/02/16 20:27:59
まえくにさんおつかれさまです。

ご意見拝読しましたが。

>納得して判断できるように、設計者は説明を尽くさなければなりません。
>しかも、提示する方法は、一般の人が理解できるように平易にです。



わかりますが、こちらが平易な言葉を尽くせば尽くすほど、「不確定要素のすべて」
では無くなってしまうジレンマがありますね。

一方通行では駄目なわけで。
「インフォームドコンセント」でいう「同意」であればいいんでしょうか。
もちろん「全て」を納得して頂く必要がありますよね。

ただ、不確定要素を明確に伝えようとする設計者のスタンスは第一歩のような気がします。

しかし・・・たくさんあるなー不確定要素・・・。

それを説明する職業が1つ出来そうですが・・^^;
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
toyochan 2006/02/16 21:51:20
まえくにさん ありがとうございました

私は住民に説明するときには、まず「現在の法体系はいかなる地震にも対応しているわけではない」ということを理解してもらうところから始めます。(それには信頼でき、且つわかりやすい資料を配付して説明する必要がありますが...)
それから徐々に、その建物が安全であると思われる要素を挙げながら、安心感を持ってもらうように努めています。「絶対大丈夫」とは言いません。ありのままに話す方が信頼を得られるのではないかと思うからです。建物に対する信頼ではなくて設計者に対する信頼です。

ですから、まえくにさんのお考えに納得するところもあります。

ただ、ほんとうは設計時にそれができればいいんでしょうね。
それには平素から一般の人に構造設計の本当の姿を知っていてもらう必要があります。そのためには...

TVの特番か何かでやってもらえないかな〜
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
締切り際の魔術師 2006/02/17 02:09:51
大きな観点からの問題提起のトピですね 

構造設計者の立場から信頼性をなんとか回復したいが、悩ましい点を思って毎日モンモンとしています。 以下 意見の羅列です。

・インフォームド・コンセントを行って信頼回復するのが一番だと思いますが、ハナから「貴方の言う事は信用できない」と言われたら(汗  (性善説を完全否定したら 建築に限らず世の中成り立たないんだけど)

・上記の対策としてのセカンドオピニョンをする手段を購入者は持っていない=構造設計者への繋がりが現時点では皆無
繋がり有るマンション販売者=デベが行っても 購入者がデベを信用していないのなら意味が無い (←なら 「買うな!」とも言えるけど・・・)

・もし購入者がセカンドオピニョンに成功しても、違う事を言われたら素人はますます混乱して分からなくなる

・↑の判断に行政を期待したい所だが、一連の事件対応ですでに信用は無い(なんの為に税金を払っていることやら・・・)

・耐震要久性能レベルのデベと購入者のズレ(すでにデベも構造設計者とズレてますけどネ。 説明の機会が増えれば♪)

・購入者の拠り所は、ネームバリューの有る(偽装や無知で会社をつぶすとは思われない)デベとなるのか?

・デベは、会社をつぶす様な事の無い設計事務所(or設計施工ゼネコン)が拠り所か?

・設計事務所(orゼネコン)は、会社をつぶす事の無いと思われる協力構造設計者が拠り所か? 無資格&無登録事務所の有能な構造設計者排除の流れになったとしたら悲しいです。 現行では「可」なんですから。 「今さら建築士資格はムリだわ」みたいな有能ベテラン様にはこれからも活躍して欲しいです。
 
・信頼回復の為に雑用をこなしてますが、たまには早く帰りたい・・・(帰宅時はレンタルDVD屋が閉まってて返せない (笑 )
 
以上 トピズレ多数ですが 感じている事です。 m(__)m
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Re: 誰を、何を信じればいいのですか?
喰えないラーメン屋 2006/02/17 09:38:14
まえくにサン

>現在、設計者の間では考え方の中に、安全側から危険側まで非常に広い幅の
>グレーゾーンがあります。その不確定なリスクについて、建築主や居住者自身が
>どの程度まで許容できるのか。それを建築主や居住者が理解し、
>納得して判断できるように、設計者は説明を尽くさなければなりません。

有り難うございました。
先ほど、知り合いから一般住民のために行いたいことがあると電話があり、なんとかやってみましょうという事になりました。そのうち報告出来るかも知れません。
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